UTUTU PROJECTはフォトグラメトリーを使った3Dモデルの制作をメインに、地域の歴史風土の形成を担ってきた有形・無形を問わない歴史遺産をデジタル保存し、WEB上で時間軸を縦軸、地理的情報を横軸として展開。誰もが見て触れることの出来るインタラクティブなサービスを提供する事を目的にした事業です。
元々フォトグラメトリーによる3Dモデル制作は遺跡や遺物の調査や実測をするために発達してきた技法なので、研究室や企業など専門的なところで活用されていたのですが、昨今のカメラ・PC技術の進歩で個人でもモデルの作成が容易になりました。
主催は愛知県一宮市を中心にグラフィック・WEB・映像のデザイン事業を展開しているモニカデザインが行っています。この事業を展開していくうちに、思いもがけない企業や自治体から問い合わせをいただき、改めてこのサービスの可能性と面白さを感じているところです。
僕がフォトグラメトリーを自身のサービスとして提案するようになったのは、僕自身が学生時代に遺跡、遺物の調査や実測に関わっていて、こんなことが出来たら楽しいだろうな、、という願望があったこと。
そんな経験もあり、上述した技術の進歩を知りそれが可能になったことに感動したこと。
そして近年の新型感染症による環境の変化で、よりバーチャルな世界が身近になってきて、リアルな3Dモデルが一般でも求められるようになったこと。
様々なタイミングが一致した結果です。
最初に述べたように、技術や考え方自体は昔からあったものですが、自身のWEBデザインの経験と掛け合わせて、最新のソフト、ツールを応用することで、それを誰でも楽しめるコンテンツに落とし込めるように出来るのでは、と考えるようになり、フォトグラメトリーを使用したサービス展開への道を模索するようになりました。
その一つの完成形が2021年にご依頼を受けて制作した「丸山ダム3Dバーチャルツアー」です。
普段中々見ることが出来ない場所を、誰もがどこにいても探検することが出来る、というわくわく感と、失われる運命にある建造物の姿を記録保存する、という2面性を持ったコンテンツが出来上がりました。
自身が学生時代に思い描いていた、文化財の「保存活用」×「エンターテイメント」の妄想が少しづつ形になってきた手ごたえを感じました。
商業デザインでは物事に対する主観的なアプローチを、作る側と見る側で常に求められるのですが、このサービスでは見る人が自身で能動的にモデルを動かすことで、多角的な視点で自由な気づきや創造を得られる「きっかけ」づくりの装置としてのコンテンツ制作を意識しています。
ページのTOPには或る日に長女が作った紫陽花の折り紙の写真を採用しています。小さな手で一生懸命作った折り紙が自身の手で誇らしく初夏の夕陽に掲げられた姿が、自身の作る3Dポリゴンと重なりました。
UTUTU PROJECTはまだまだ発展途上の技術を用いながらも、利用者の心に触れるような、より良いサービスの提案ができたらという想いを根幹の理念としています。
自身のベースにある考古学的な視点とデザイン表現でもっとわくわくするサービスを展開していけるという確信のもと、今後もより良いコンテンツづくりに励んでいきたいと思います。
UTUTU PROJECT 主催
monica design 代表
森田 一樹
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